《MUMEI》 . ゆうこママはわたしたちの姿を見ると嬉しそうに笑い、スツールから降りた。 「ごめんなさいね!!お店、散らかってるのよぅ〜」 バタバタと慌ただしく、カウンターの上に広げていた書類を片付け始める。どうやら、売上の集計をしていたようだった。 わたしと義仲が店の中に入ると、ゆうこママは、適当に座って〜!と奥にあるボックス席を指さした。 わたしたちはお言葉に甘えて、ソファーに腰を降ろす。 やがて、ゆうこママがジュースの瓶を2本、わたしたちのテーブルまで持って来てくれた。 「来てくれてうれしーわぁ!!」 ママは、よっこらしょ、とオッサンくさい掛け声をあげながら、わたしたちの向かいに腰をかけた。 . 前へ |次へ |
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