《MUMEI》 . わたしはママの顔を正面から見据えて、真面目な顔をする。 「その節は、どうもお世話になりました!」 一番にお礼を述べると、ママは機嫌を良くしたようだった。照れたように笑い、いやだわぁ!!と笑った。 「あれくらい、どうってことないわよぅ!」 そうして、その後の足の調子はどうか、と尋ねてきたので、わたしはすっかり良くなった旨を伝えると、ママは安心したような顔をした。 「よかったわ!!結構、腫れてたから、心配してたのよ〜」 そう言ってママは、テーブルに瓶とグラスを置き、ジュースをグラスの中へ、なみなみと注ぎ込みながら、それにしても…と呟いた。 「あのときは、さすがのアタシもビックリしたわぁ!状況が状況だったけど、『あのヨッシーが、女の子連れてきた!!』ってね…」 ママは話しながら、ジュースで満たされたグラスを、わたしと義仲の手前に置いてくれた。 義仲は喉が渇いていたのか、断りもなくそのグラスを手に取り、勢いよく飲み始めた。 . 前へ |次へ |
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