《MUMEI》

悠希 「じゃぁ、アンタの奥さん、俺がやっても、良いのか?」

「娘、いるんだっけ?」

「美人なら、やって上げても良いよ…」

「俺、面食いだから、見ないと、何とも言えないけどね…」

早川 「……」

悠希 「…さて、用も、もう無いだろう…」

「菜月、行くよ」

菜月 「はい」

早川 「菜月は、尻の穴、舐められるのが好きなんだよ…知ってるか?」

悠希 「…アンタ、スゲーちっちゃい人だな…」

「そんなんじゃ、俺は、怒らないよ…」

「何年も、好きで」

「やっと、振り向いてくれたんだ…」

「アンタが抱いたのは、菜月の身体だけだろ…」

「俺は、菜月の全てを、抱いてる…」

「一緒に、されたくないね…」

早川 「生意気なガキだな…」

菜月 「今も、私の、身体だけを、よこせって、自分で言ったじゃない…」

「アンタより、感じさせてくれるわ」

「彼のセックス知ったら」

「もう、全ての男が霞むのよ…」

「二度と、私の前に、来ないで……」

「次は、大事に、しますよ……」

早川 「そんな事したら、自分だって、困るだろ」

菜月 「仕事の代わりはあります…」
「彼の、代わりは、無いんです…」

「失礼します…」

俺達は、店を出た

……

恵比寿から、中目黒まで

歩いたんだ…

菜月 「罠にはまりそうだったょ…」
「悠希が居なかったら、」

悠希 「また、関係持ってたか?」

菜月 「それは、無いよ!」
「身体は、絶対に…」

悠希 「けど、食事ぐらいなら…か…」

菜月 「…それも、無い…」

「身体目当ての人と、二人でなんて、会わないよ…」

悠希 「…」

菜月 「綺麗に、終わらせようなんて…」
「私が、甘かったんだね…」
「こうなって、よかった」

「流石に、もう、ちょっかい出して来ないわよね」

悠希 「…」

菜月 「ねぇ…手、繋ごうよ…」

なつ姉の、手が、俺の手を、握った…

菜月 「…スッキリした」
「悠希、たよりになる……」
「…!…悠希……」

悠希 「…」

悔しくて、涙が止まらなかった…

菜月 「……」

変に、見えるだろうな…

男が、泣きながら、
歩いてるのは…

けど…止まんねーんだ…

………

なつ姉が、俺の手を、強く握った

菜月 「…ごめんなさい…」

………

電車沿いの、坂道を、下って歩く俺達

菜月 「…………」

……電車の音で、なつ姉が何を言ったか、わからなかった

俺は、黙って、なつ姉の
手を、握り返しただけだった…

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