《MUMEI》

「僕はお前が大嫌いだ。」

またもや律斗に睨まれた。


「……な、なんで。」

理由は?しかもお前て。


「律斗……そんなこと言わないで、七生はこんなだけどたまにはいいやつだからさ。」

たまにって酷くない?


「嫌だ……」

律斗の食いかけのオムライスが皿の上でぐちゃぐちゃに掻き混ぜられてゆく。


「律斗、俺達は血も繋がってないし代わりにもなれない、でも律斗が一人ぼっちな思いはして欲しくないんだ。」

聖母のように二郎が律斗を抱きしめて宥めた。


「帰りたい……」

帰りたい、とはどういう意味なのか。
外国に?それとも篠さんが生きてた頃に?

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