《MUMEI》
しつこいナンパ
.




ズカズカと肩を怒らせて、街中を進んだ。



イラつきが、おさまらない。



…………なんなの!


義仲ってば、あんな品のないオンナどもにヘラヘラして!!


気を持たせるようなことばっか言って!!



「ふざけんな!!」



つい、声に出してしまった。周りを歩く会社帰りのサラリーマンたちが、ビックリしてわたしを振り返ったが、それどころじゃない。



ムカムカムカムカ………。



あー、胃がおかしくなりそう!!



ムッツリした顔で、歩いていると、



「………カーノジョ!!」



呑気な声とともに、不意に肩を叩かれた。


虫の居所が悪かったわたしは、ギロリと視線を流すと、そこには大学生とおぼしき、ふたりのチャラそうな男がいた。

彼らはニコニコしながら、わたしに言う。


「君、ひとりなの??」


「その制服、蓬莱学園のだよね?」


オジョーじゃ〜ん!!と、やたらテンション高めではしゃぎだす。



…………ナンパか。



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