《MUMEI》

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わたしは質問に答えず、あからさまにため息をつき、肩に置かれた手を振り払うと、再び歩きはじめた。

しかし、彼らはわたしの素っ気ない態度を気にする様子も見せずに、わたしの横に並ぶ。


「ヒマだったら、一緒にカラオケ行かない?俺らおごるし」


「かわいいよね〜??モテるでしょ??」


「アイドルの誰かに似てるよね??」


「よく、スカウトされるんじゃない?」



…………うるせーなぁ。


つーか、どのツラ下げて、このわたしに声かけてんだよ。



しつこく話しかけてくるのを、完全に無視した。

すると、

ひとりの男に、いきなりグイッと腕を引っ張られた。ものすごい力だった。

わたしはビックリして、思わず立ち止まってしまう。

男たちは、ニヤニヤしながらわたしの顔を覗き込んできた。


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