《MUMEI》
助けてくれたは…
.

「無視はナイでしょ〜?」


「返事くらいしてよ」


完全に、ナメきっている。
わたしは彼らを睨みつけ、放してよ、と静かに言った。


「あんまりしつこいと、大声あげるよ?」


脅してみたが、ムダだった。彼らは顔を見合わせて、プッと笑い出す。


「騒げば?別にいいよ。誰かが来るまえに、どっかに連れ込んじゃうし」


「遊ぼうって言ってるだけじゃん。そんな目くじら立てんなよ」


わたしはイラっとして、放してってば!!と大きな声を出すと、彼らはうれしそうな顔をした。


「いいね〜!怒った顔も、ちょーかわいい☆」



…………ぶっ飛ばす!!



「あんたたち、いい加減に…!」



堪忍袋の尾が切れかけたとき、


「ゴメン!!」


いきなり、爽やかな声が飛んできた。

わたしと男たちは同時に振り返る。


そこには、


学生服姿の、将門がいた。



.

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