《MUMEI》 . …………なんで、こんなところに? キョトンとしているわたしに向かって、将門は申し訳なさそうな顔をした。 「さっきはごめん…悪かったよ。謝るから、許して」 なぜか頭を下げられた。 …………は?? なんのこと? 戸惑っていると、 今まで言い寄ってきていた男たちが、突然腕を解放して、 「なんだよ、男連れか」 「シラけ〜」 軽く舌打ちしながら、立ち去ったのだった。 わたしがポカンとしていると、 将門が、大丈夫だった?と尋ねてきた。 「絡まれて困ってたみたいだったから…なにもされてない?」 わたしが頷くと、彼は、よかった!と朗らかに笑う。そうして、去って行った男たちの後ろ姿を眺めて、ぽつんと呟いた。 「…ああ言ったほうが、面倒なことにならなくて済むんだよね」 わたしも、彼の視線を追った。男たちの姿は人混みに紛れ、見つけられなかった。 …………助けてくれたのが義仲だったら、 きっと、乱闘騒ぎになってただろうな。 . 前へ |次へ |
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