《MUMEI》 . 「女の子たちに、キャーキャー騒がれてヘラヘラしてるから、置いてきた」 わたしの答えに、将門は眉をひそめた。 「女の子たち?なにそれ、ヘラヘラって…」 「いつものこと。ホストまがいのことして、みんなに良い顔してんの」 あきらめたようにそう言うと、将門は納得いかないといった顔をした。 「でも、片倉さんと付き合ってるんだろ?」 念を押すように尋ねられたわたしは、一度瞬き、 それから俯いて、 わかんない……… そう、答えた。 …………今まで、 義仲が彼氏ヅラをしたことはあったけど、 はっきり、『好きだ』と言われたことはない。 しかも、最近は、 『付き合ってるの?』とか、 『彼女?』とか尋ねられても、 ごまかすように、ヘラヘラ笑って、 答えようとすら、しないのだ。 これでは、 千影や昌平が言った通り、 付き合っているうちに、入らないのではないか………。 「よく、わかんないの…もしかしたら、付き合ってないのかも」 頼りない声で、小さく呟く。 . 前へ |次へ |
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