《MUMEI》 . わたしは、唇の端っこをつりあげて、ほほ笑みを作る。 それから、はっきり返事をした。 「おもわない」 将門は、驚いたのか、目を大きく見開いた。 その表情をながめながら、わたしは続ける。 「約束したの、『傍にいてあげる』って」 −−−だから、絶対、別れない。 わたしは呆然としている将門に、 「ナンパから助けてくれて、ありがとう…」 と言い、再び背中を向けると、 颯爽と歩きはじめた。 …………確かに、 義仲はわがままで身勝手で、わたしの気持ちはお構いなしで、 付き合ってるのか、いないのか、ちょー曖昧だし、 他の女の子たちに良い顔するし、 最低かもしれないけど。 でも、 わたしの気持ちは決まっていた。 だれが、なんと言おうと、 わたしは、義仲の傍にいる。 . 前へ |次へ |
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