《MUMEI》

俺が、パスタを作って

4人で、夕食を食べたんだ
マリナ 「食事は、悠希くんの担当なの?」

菜月 「私も、やりますよォ」

悠希 「俺は、もう、休みに入ってますから」

前田 「学生かぁ、良いなぁ」

悠希 「そうっすねォ」

前田 「悠希、大学、どこなの?」

菜月 「あっォ」

悠希 「俺…」

菜月 「悠希ォ…ヤバいよォ」

悠希 「なに?…」

マリナ 「…なに、隠してるのよ、菜月…」

菜月 「あのォ…えっとぉォ…」

マリナ 「……」

悠希 「…実は、落ちたんです、大学…」

何かを感じた俺は、嘘をついたんだ…

前田 「ふーん…嘘、下手だね…」

テレビラックの上に
無造作に置かれた

大学の名前入りの封筒を、手に取りながら
前田さんが行った

前田 「…東大かぁ…スゲーなぁ…悠希」

悠希 「…」

マリナ 「…弟さんも、東大だったわよね…」

菜月 「は、はいォ」

前田 「弟の、友達なのかぁ!ォ」

悠希 「……」

菜月 「……」

マリナ 「…?」

前田 「弟は、知ってるのか?」

「友達が姉さんとって…」
「…意外と、嫌かもしれないぜ…」

菜月 「…」

マリナ 「…何か、あったの?」

悠希 「…」

前田 「…どうした?」

………

パスタを食べる手が、止まった、なつ姉と、俺…

前田 「弟に、何か、言われたんだろ…」

「姉さんと、エッチしたのかとか…」

マリナ 「…」

前田 「弟が、反対してるのかぁ?」

…前田さん、俺達を、からかってるんだろうなぁ…

…けど…

嘘が、出て来ないょ…

…なつ姉も、同じなんだろうなぁ…


マリナ 「そんな事なら、隠すほどの事じゃ、ないわよね…」

……マリナさん…

顔がマジだ……

マリナ 「菜月…貴女の口から聞きたいわ…」

…感づかれた…

もう……ダメだ…

前田 「マリナ、何、険しい顔、してるんだよ…」

マリナ 「…」

菜月 「…何も…聞かないで、欲しいんです…」

「これ以上…マリナさんに、嘘、つきたく、…ないんです…」

マリナ 「……」

前田 「菜月ォ 泣くなよ、おいォ」

「俺、何か、気に障る事、言ったかぁォ」

マリナ 「…」

菜月 「…」

悠希 「…」

前田 「?…」

………

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