《MUMEI》
父の集い
私は普通の会社員である、セレブでもなければ人を惹きつけるような魅力も無い。

たまたま席が近いというだけで美作家のお坊ちゃんと、破天荒な内館と知り合いになってしまったのだ。


何の縁なのか、俺は二人の板挟みになり、いつの間にか友人にもなっていた。

長男である太郎が生まれ、その後は次男の二郎が、末っ子の麻美が生まれ、平凡な暮らしだった。
一軒家に住むという夢を叶えるべく、美作から安い土地を紹介してもらった。


近所には何故か美作家の豪邸と内館家の今にも潰れそうなアパートが佇んでいた。
美作は財閥のお嬢様の縁談を棒に振って、まだ高校生だった落ちぶれた貴族の生まれの少女と恋愛結婚し、突然消息を絶った内館には美女を嫁に迎えた後、可愛い赤ん坊を抱えて鳶職に就いていた……俺と次元が違う。

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