《MUMEI》
酒盛り
なつ姉が、ビールを2本持って来た

前田 「悠希も飲めよ」

悠希 「…」

前田 「俺は、他人だから、無責任だ…」

「行ける所まで、行ってみろよ」

マリナ 「孝弘!…」

前田 「…」

マリナ 「…菜月…」
「もう、決めたの?」

菜月 「はい」

マリナ 「…はぁ……」
「…何言ったって…」

「聞かないわよね…」

………

菜月 「…」

………

マリナ 「…サワーか何か、ある?」

悠希 「缶チューハイなら…」

マリナ 「…ちょうだい…」

俺が、缶チューハイを、取りに行った

………

マリナさんが、派手な飲み方をした

一気?…ってぐらいにォ

マリナ 「早川は?」
「別れられたの?」

菜月 「はい…」

マリナ 「昔、私も、早川と寝たのよ…」

菜月 「えっ?ォ」

悠希 「ふぇ?ォ」

マリナ 「何で、悠希くんが、驚くのよ…」

悠希 「……」

マリナ 「その後も、私…」

「他の妻持ちと、付き合ってたでしょ…」

「子供、出来ちゃってね…」
「堕胎したんだ…」

「奥さんと別れるから結婚しようって、言われたけどね……」

「そんな気に、なれなかったし…」

「遊びだったからね…」


菜月 「……」

マリナ 「孝弘には、全部、話したから、心配しないでいいよ…」

「…人殺しなんだ…私…」

菜月 「…」

マリナ 「身体だけの付き合いなら、避妊はしっかりしなさいって…」

「私が、菜月に言ったでしょ?」

「自らの、経験だからよ…」
菜月 「…」

マリナ 「…菜月には、幸せになって、欲しいって…」

「凄く、思ってたの…」

「…貴女が、選んだ道なら、何も言わない…」

「後悔しても…」

「それも、人生よ…」

………

菜月 「後悔なら、たくさんしてきた…」

「これ以上、後悔したくないから…」

「悠希と生きてくって、決めたんです…」

マリナ 「…」

菜月 「…」

前田 「…じゃぁ、乾杯しようぜ」

「誰にも、話せない、仲だろうけど、」

「俺達の前では、話せるだろ?」

マリナ 「…そうよね…」
「味方が一人も居ないんじゃ…辛いわよね…」

菜月「!…」

マリナ 「私は、菜月の味方になる」
「…正直…複雑な思いは、いっぱいあるけど…」

「反対したって、何も変わらないものね…」

菜月 「…マリナさん…」

なつ姉が、泣きそうになってた…

悠希 「なつ姉…ビール、おかわり」

菜月 「はい」

なつ姉…冷蔵庫の前で

少し、泣いてから

お酒をありったけ、持って来たんだ

菜月 「何、飲みます?」

前田 「俺、ビール」

悠希 「俺も」

マリナ 「私は、レモンハイ」

菜月 「私も、レモンにしよう」

………

静かに、乾杯したんだ

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