《MUMEI》

「ん…?」


攻撃に移ろうとする海南高校。


センターラインに向かう途中、


赤高ディフェンスの変化に気付く。


(…俺にマンツーか。)


前線に千秋が飛び出している。


疑う余地もなく、


千葉へのマンツーディフェンスである。


(ホントに俺で通用すんのかな…)


当然これはクロの指示であったが、


実際にディフェンスを行う千秋自身は不安を覚えていた。


いくらディフェンスが上達したとはいえ、


自分がこれから付く相手は県内でもトップクラスのエース千葉。










ゾクッ…











見えない重圧が襲い掛かる。










「ピッ!!」


センターラインを越え、


「1本行こう!!」


海南高校の攻撃。


当然、


千秋は千葉に付く。


そんなことはお構い無しに、


センターは左45、


千葉にパスを出す。


勢いを殺さぬままに、


「キュキュッ!!」


千葉は千秋を抜きにかかる。


「やっ…」


驚くほどあっさりと抜かれる千秋。


「バンッ!!」


千葉はワンドリブルつき、


5枚となったディフェンスの間を突破。


が、


ここは峰田が詰める。


しかし、











「バンッ!!」










バウンドパスによりボールは左サイドへ。

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