《MUMEI》

「くっ…」


シュートを阻止する為、


関谷が詰める。


が、


未來は既にシュートフォームに入っている。


無理をすれば7メートルだ。


関谷は未來が少しでも打ちづらくなるようジャンプできるスペースを狭めることしかできなかった。


それでも構わず未來は跳んだ。











(な…ん…)











(何て…高さだ…)










考えられない脚力の持ち主、


一ノ瀬未來。


少しでもシュートを打ちづらくしようとスペースを狭めた関谷のディフェンスなど、


微塵の影響も感じさせない。


そして…










(…)










(なげぇ…)










その脚力はもう1つの武器となる。










シュートコースを狭めようとしたのは、


関谷だけではなかった。


キーパー、


村木である。


ゴールから数歩分前へと出ることにより、


シューターから見えるシュートコースは制限される。










はずだった…










(こいつ…
打たねえのか…)










強い脚力…。


それはつまり…


長い滞空時間を指す。


滞空時間の長さは、


シューターの強い武器となる。


未來は、


ギリギリまで打たない。


打たない。










打たない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫