《MUMEI》 良からぬ妄想. ニヤニヤしているわたしに、彼らは、そーいえば!と、なにか思い出したように言った。 「ナベちゃんに呼び出されてたね?」 「ケガでもしたの?」 先程の放送を聞いたのだろう。彼らはかいがいしく、わたしを心配してくれる。 わたしは困惑した表情を作り、それが…と答えた。 「よくわからないの。心当たりもないし…」 わたしの表情を見て、彼らは眉をひそめる。 「なにそれ、ナベちゃん、なに考えてんだ?」 「保健室だったよな……つーことは……」 ふたり、しばらく考えるように黙り込んで、それからハッと顔をあげた。 「まさか、ベッドに連れ込むつもりじゃ…」 わたしは、ナイナイと首を横に振る。 ナベちゃんは、見た目と違って常識人だ。 まえに、色仕掛けでナベちゃんの目をごまかそうとしたことがあったが、気色悪いとバッサリ切り捨てられたことがある。 そのナベちゃんが、わたしを連れ込んで、ナニしようとか、そんなことはありえない。絶対。 ………つーか、キモいし。 向こうがソノ気なら、全力で殺るし。 例え、相手がナベちゃんでもね。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |