《MUMEI》

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しかし、男子たちはわたしのジェスチャーを無視して、勝手に盛り上がり始める。


「保健室で学園の美少女と…なんて、ひと昔前のAVみたいなマネしやがって!!」


「ベッドに押さえ付けて、嫌がる片倉さんに、『あんなこと』とか、『こんなこと』とか、果ては『そんなこと』までさせる気か!!」


「くそっ!!完璧、職権乱用じゃん!!うらやましい!!」


「あやかりたいっ!!」


良からぬ妄想をして、ハァハァと息を荒くしている彼らを放っておき、わたしは、スタスタと先を急いだ。

立ち去るわたしの姿に気づいた彼らは、悲痛な声で、待って!!と叫ぶ。


「生現場を携帯の動画で録画してッ!!オカズにするから!」


「ナベちゃんだけで物足りなかったら、呼んで!!すぐ行く!!」



…………アホかっ!!


なに考えてんだ、この学園のヤツらは!!


つーか、マジでバカしかいねーなっ!!



わたしは彼らの叫び声を無視して、保健室に急いだ。





******





保健室のまえは、ひっそりとしていた。


ドア窓から中を覗き込むと、ナベちゃんがデスクに向かって、仕事をしていた。



…………一体、なんの用なのかな。



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