《MUMEI》

  死んだ男は

山田 宏 現役私立大学二年生。一浪した後入学。

親の仕送りの他にラブホテルのベッドメイクなど歓楽街で働いていた。


大学にはここ最近来ていなかった。
入り浸っていたバーがいくつかあった。
そのうちの一つに彼はいつもの如く座っていた。


身辺は調べた。彼に間違いない。あるはずの記憶を知っている。

既に正気ではなかった。
目が人間のソレと違う。
潰そうとしているのかもしれない。
意識あるうちを伺う。

あと少しだった。

言いたいことがあると告げて
死体になった。

記憶あるモノ共を
見えない糸が行くてを阻む。

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