《MUMEI》 . 青い空を飛んでいく小鳥たちを見ながら、しばらくそうしていると、 突然、義仲が身体を起こして、 隣で寝転ぶわたしを睨んだ。 「お前、いい加減にしろよ」 なんのつもり?と、刺のある口調で言ってきた。 わたしは瞬いて、チラリと彼の顔を見る。 そして、決まってんじゃん、と答えた。 「嫌がらせだよ」 「マジで性格悪いな…」 小さく毒づいた彼を睨み、わたしはフン!と鼻を鳴らした。 「その台詞、そのまま返すわ」 「返すな、俺は璃子ほど性悪じゃない」 「よく言うわよ。女の子に人気があるからって調子こいてさ〜」 わたしがそう言うと、聞き捨てならんと言わんばかりに、義仲は眉をひそめた。 「俺がいつ調子こいたって?」 白々しく尋ねてきた彼に、わたしは身体を起こして、また鼻を鳴らす。 「こきっぱなしじゃん。クラスのブス女子どもとか、ワケわかんない婚約者とか、あげくに下品なあのアゲ嬢!?」 バッカじゃないの!?と吐き捨てる。本気でそう思っていた。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |