《MUMEI》 . 義仲もイラっとしたらしく、眉をつりあげて詰め寄った。 「じゃあ、お前はどうなんだよ」 心当たりのないわたしは、眉間にシワを寄せ、わたしィ?と感じ悪く唸った。義仲はわたしの顔を見ながら、フッと唇を歪ませる。 「学校のヤローどもにチヤホヤされたくらいで、ムダに笑顔ふりまきやがって。しかも、汐見とかいうヤローにもイイ顔してさ」 八方美人もいいとこ!と言い返してきた。 将門の名前が出て、わたしは少し戸惑う。 「…将門くんは関係ないでしょ?」 小さく言い返すと、今度は義仲が鼻を鳴らして、あるね!ときっぱり言った。 「アイツ、お前に惚れてんだろ?それ知ってて思わせぶりな態度とってさぁ。最悪」 義仲の台詞がとっても心外だったので、わたしは、はぁ??と眉をひそめた。 「いつ思わせぶりな態度とったっつーのッ!?」 「思い切りとってんだろ!?仲良く手ェ繋いで一緒に帰ったり!」 ドキリとした。 なぜ、そのことを知っているのだろう。 …………まさか。 「見てたの…?」 . 前へ |次へ |
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