《MUMEI》 口ゲンカと勝負の行方. 恐る恐る尋ねたわたしに、義仲は得意げな顔をして、腕を組む。 「おー、見てた見てた!!バッチリ見たぜ!なんだ、ありゃ!少女マンガかって!」 完全にバカにした言い方をする彼に、わたしはムカッとした。 噛み付くような勢いで叫ぶ。 「のぞき見しないでよ!悪シュミッ!!」 「見せつけてたのは、そっちだろ!?公衆の面前で、そんなことしておいて」 「アンタこそ、高校生のくせに、アゲ嬢と騒いじゃってさ!!常識ってコトバ、知らないのッ!?」 「なんだ、やんのか!?」 「望むところだっつーのッ!!」 ……! …………!! …………………!? ……と、その後15分ほど、犬も食わないような話をふたりで繰り広げた。 途中、午後の授業開始を知らせる学校のチャイムが鳴り響いたが、それでもわたしたちは口ゲンカを止めようとしなかった。 −−−全くバカバカしいこと、この上ない。 全力で言い争ったので、さすがにわたしも義仲も疲れてしまい、最後にはふたりとも、ゼェーゼェー!と息を荒くして、睨みあっていた。 . 前へ |次へ |
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