《MUMEI》

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反論しようとしたわたしに、義仲はゆっくりこちらを見て、

冷たく笑う。


「お前の気持ちは充分わかったし。どー言われようと、俺は自分を変えようなんて、思ってないし」


「歩み寄りっつー、妥協はしないってこと?」


「妥協なんかするかよ。なんでムリして付き合わなきゃなんないんだよ」


バッサリと切り捨てられて、わたしは言葉をなくした。
義仲はため息まじりに、それに…と続ける。


「お前には汐見もいるからな。ちょうどイイじゃん。アイツ、従順そうだし。頭もいいんだろ?」


また、将門の名前を口に出した。
今日はやたらと、将門を意識している。

わたしは呆れて、だから!と声を荒くした。


「なんでそこで将門くんが出てくんの?」


今、関係ないじゃん!と言い返したが、義仲は取り合わず、フンと鼻を鳴らし、ムックリ起き上がった。

彼は立ち上がると、そのまま屋上から出て行こうとした。

わたしはその背中に向け、どこ行くの!?と叫んだ。


「まだ、話は終わってないわよ!」


怒った口調でそう言うと、義仲は肩越しに振り向いて、もう帰る、と素っ気なく言った。


「…お前がいると、休めない。ムカつくし」



…………あんだとぅッ!?



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