《MUMEI》
意地
なつ姉と、一言も、口を聞かないまま

5日が過ぎた

なつ姉は、仕事が始まってた……

俺は、家庭教師のバイトに出てたんだけど…

何か、身体が怠い…

熱っぽい感じがした…

受験生に、風邪移したら大変だから

センターに、電話して、
明日から休むと言ったんだ……

帰宅したとき

なつ姉は、まだ、仕事から帰ってなかった

俺、パジャマ着て、直ぐ、寝たんだ…

頭がくらくらする…

風邪だな…

…夏風邪は、バカがひくって…誰か、言ってたょな……

………

苦しい……熱、出たのかな……

……寒気がする……

うとうとして、また、苦しくて、目が覚めて…

また、うとうと……

……身体に、力が、入らないゃ…

………

…何時なんだろう…

ふと、目が覚めたとき

カーテンが、明るくなっていた…

シャッター、閉めずに寝ちゃったんだ…俺…

携帯電話を手にして、時計を見たら
午前5時……

翔 「あっォ…」

なつ姉が、床に、寝てた…
タオルが枕元に落ちてた

洗面器と、水、ロックアイス……

菜月 「…ん…」
「翔ォ…大丈夫ォ…」

「ごめんォうたた寝しちゃったォ」

翔 「……」

菜月 「…まだ、怒ってるんだ…」

翔 「……別れよう…」

菜月 「……」

翔 「俺、出てくから…」

立ち上がり、着替えて、出てこうとしたとき…

…あれ…

景色が、ぐるぐる、回った……

ドタン!…倒れ込んだ、俺…

翔 「…痛ぇ…」

菜月 「翔ォ」

翔 「…うっ…」

吐き気が、込み上げた

俺、洗面器の中に、吐いたんだ…

菜月 「翔、大丈夫ォ」

……

身体に、力が入らない…

菜月 「何か胃に入れて、薬飲まなきゃ…」

翔 「…要らない…」

菜月 「私を許せないなら、それで構わないから」

「食べなさい!」

なつ姉が、白粥を作った……

菜月 「食べたら、薬、飲んで…」

「熱は、下がったみたいだけど……」

俺の額を触る、なつ姉…

翔 「……」

お粥を、口にしたとたん、また、吐き気が…

菜月 「翔ォ」

………

口を、濯いで来た…

そのまま、布団に、倒れ込んだんだ

菜月 「病院、行こうォ」

翔 「…」

菜月 「…翔…貴方、お金、全然減ってないじゃない…」

俺の財布を見て、なつ姉が言った

前に、行った、病院の、診察券を探してたのかな?…
菜月 「……何も…食べて、無いの?」

翔 「…」

菜月 「答えなさい!」

翔 「寝たのかよ?!」

菜月 「…寝てないわよ…」

翔 「マ〇コ、見せたんだろ!」

菜月 「…毛、ぐらいわね……」

「食べてないの?」

翔 「……水は飲んでるよ……」

菜月 「!…何やってんのよ」

翔 「俺の、セリフだろ!」

「何やったんだよ!」

「なつ姉は!」

また、くらくらしてきた

もう、どうでもいい…

そのまま、ふとんに、顔を埋めたんだ…

………

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