《MUMEI》

菜月 「翔…」
「ごめんなさい」

翔 「…」

菜月 「ごめんなさい!」

翔 「…」

菜月 「ごめんなさい!!」

泣きじゃくる、なつ姉…

翔 「…のこのこ、家までいきゃぁ、何かあんだろうがぁ」

菜月 「ごめんなさい」

「嫌だ、別れたくないょ」

翔 「…」

菜月、「壊されたくなかったの!」
「両親に、話されたら…」

「終わっちゃう…」

翔 「見せたら、話さないのか、早川は!」

「バカ言ってんなよ!」

菜月 「…やらせろって…」

「触らせろって…」

「けど、嫌で…けど…黙ってて欲しくて…」

「……昔、寝た人だから…」
「平気かって、思ったんだけど……出来なかった…」

「だから…」

翔 「同じだよ」

「どっちを、選んでも、終わるじゃんか…」

菜月 「だって……」

翔 「バカ過ぎだよ…なつ姉…」

菜月 「……」

………

翔 「…ほっといたら、目茶苦茶な人生になるね…」

菜月 「…」

翔 「…仕方ないな…」
「俺が、面倒見てやるか?…」

菜月 「翔ォ」
「許して、くれるの?…」

翔 「許さない…」

菜月 「…」

翔 「どうやって、見せたんだよ…」
「同じ事、やってみてよ…」
菜月 「えっォ」

翔 「…出来ないの?」

菜月 「だ、だってォ」

翔 「…どうやって…見せてやったんだよ」

菜月 「……立ったまま、下着下げた、だけ…ょ…」

翔 「…早くやれよ…」

菜月 「…今ォ…」

翔 「同じように、やって、見せろよ」

菜月 「…だってォ」

翔 「…俺には、出来ないんだ…」

菜月 「…生理…だから…」

翔 「やれよ!」

菜月 「……」

なつ姉が立ち上がった

下着を、膝上まで下げ

スカートを捲った、なつ姉…

菜月 「…こうした…だけ……」

翔 「…」

なつ姉の、下着に、赤くなった、ナプキンがあった…
翔 「他には?」

菜月 「してないよ…」

なつ姉が、下着を戻そうとした

俺、なつ姉の、手を掴んだんだ

翔 「それだけか?」

菜月 「そうよ…」
「嘘じゃ、ないわォ」

翔 「で、帰り際、襲われた…」

菜月 「そうよ…」

翔 「当たり前だよね…」

菜月 「…ケリ入れて、逃げたわよ…」

「見せるだけ…触らないって、約束だったから…」

翔 「そんな、約束、守ると思う?」

菜月 「……でも、触らせない…」

翔 「引っ掻き傷、胸に、あったよ…あの日…」

菜月 「…触って来たから…ケリ入れたの…」

翔 「触らせてんじゃんか…」

菜月 「……」

翔 「ここも、触られたんだろ?」

なつ姉の脚の間に手を伸ばした

菜月 「ォ…」

翔 「だから、ストッキング、破れたんだろ?」

菜月 「…下着の、上から…」

翔 「それが、言い訳か?」

菜月 「……」

翔 「それだけか?」

菜月 「それだけ、よ…」

翔 「嘘、ないよね?」

菜月 「ないわ、ホントに、それだけよ!」

翔 「…わかった…」

なつ姉を、離した…

翔 「そういう事、するなら、彼氏、居ない時期にやりなよ…」

菜月 「…」

翔 「…かなり、不愉快だよ…」

「いくら、死んでく奴でも……」

「俺は、嫌だ…」

菜月 「…ごめんなさい…」

翔 「…俺が、死にたくなる…」

菜月 「翔ォ…」

翔 「……」

………

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