《MUMEI》

なつ姉の、布団で、一緒に寝た

菜月 「…翔、ホントに食べないつもりだったの?」

翔 「…うん」

菜月 「…」

翔 「奴が命掛けで、なつ姉を奪いに来たんだ…」

「俺も、命掛けになるしかないだろ…」

菜月 「…」

翔 「自殺する、勇気なんかないけど…」

「絶食する、意思ぐらいはあるよ…」

菜月 「…脱水症状…起こしてたって…先生…言ってたよ…」

翔 「…それで、点滴か…」

菜月 「…もう、翔に、絶対、嫌な思い、させないから、そんな事、しないで」

翔 「…考えとく…」

菜月 「約束して!」

翔 「…なつ姉、次第じゃない?」

菜月 「…うん」
「ごめんなさい…」

翔 「…」

なつ姉が、抱き着いて来た
菜月 「…」

翔 「ねぇ、俺、いつ、飲んだの、薬とか?」

菜月 「…私が、飲ませたの…」

「翔…苦しそうに、唸ってたから…」

翔 「寝てるとき?」

菜月 「うん…」

翔 「どうやって?」

菜月 「…口、移しで…」

翔 「えっ…俺、ゲロ吐いてたのに…」

菜月 「…気にしないよ…そんなの…」

「大好きな人だから」

翔 「…追い込んだの、なつ姉じゃん…」

菜月 「そうだけどォ」

翔 「嫌がらないと、思った?俺…」

菜月 「…ううん…思わなかった…」

翔 「…大切な時間まで、ムダにしちゃったなぁ…」

「連休…終わっちゃった…」
菜月 「うん…」

翔 「それに…」

「安全日、過ぎちゃったね…」

菜月 「…」

翔 「毎月、その日まで、我慢させられて…」

「来月まで、お預けかぁ…」
菜月 「…」

翔 「…初めての、喧嘩だね」

菜月 「うん…」

翔 「もう、嫌だからな…」

菜月 「うん」

翔 「約束、したよ」

菜月 「うん」

なつ姉の、唇を、奪った

……

菜月 「………よかった…」

「キス…して、くれた…」

翔 「舌、ちょうだい」

菜月 「ん……」

抱きしめ合ながら、キスをした

なつ姉と、キスするの、
何日ぶりだろう…

毎日、同じ家にいて…

……

菜月 「翔…別れるとか、言っちゃ嫌だょ…」

翔 「…うん…」
「言わさないで、くれよ…」
菜月 「うん…」

なつ姉が、しがみついて来た…

なつ姉を抱きしめ

温もりを感じながら寝たんだ……

………

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