《MUMEI》 遅い朝食2「それは良かったです。今朝は随分機嫌が悪かったようですが、今は落ち着いたようですね」 「あー、あまりに空腹で…、て」 何で知ってんだ? 朝食運んできたのは、別のウエイターみたいな これまたイケメンだったのに 俺の顔を見て、シェフはクスリと笑い 天井の隅にあるカメラを指差した 「あれって、監視カメラ?」 「監視というより、食べてる生徒さんの反応を観る為のものです」 「へー」 「料理を出すタイミングを見たりするのにも使います」 「ほー」 便利だなー 「高橋様は、昨夜もきちんと挨拶して下さったし、美味しそうに食べて下さったから、早くも厨房で大人気なんですよ」 「大袈裟…ですよ」 今更だけど、シェフに敬語を使った 「フフ、無理に敬語を使わなくていいですよ」 「すみません…じゃあ、そっちも高橋様はやめて、もらえ、ないか?」 様付けされるほど、偉くないし 「すみません、つい癖で。では、…誠君でよろしいですか?」 「うん。じゃあ、食器お願いします。改めて、ごちそうさまでした。あ、シェフの名前は?」 前へ |次へ |
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