《MUMEI》 遅い朝食3「観音寺 渚(かんのんじ なぎさ)と申します」 「り、立派な名前ですね」 ここの金持ち達より、遥かに上品な名前と顔立ち、それに口調… 「あの、観音寺さんて」 「そろそろ行かないと遅刻しますよ。 それに、ここは生徒会役員の控室になりますから」 そ、それはヤバい! 「じゃあ、また!」 「えぇ、また」 俺は席を立ち、慌てて食堂から出た とりあえず、観音寺さんは気になるけど、今は時間無いし それに、学生じゃない観音寺さんは当然、更生対象じゃないし 男子寮のシェフだから、一年だけの付き合いだし そこそこ、仲良くなれたらいいな 優しくて頼りになる兄ちゃんみたいな観音寺さんのおかげで、俺の不安定だった心は大分落ち着いた だから、俺を放置した聖が十二階の廊下で他の一年とヘラヘラ笑ってても、手も足も出さなかった 「誠、…怖い」 「うるせー」 この、野生児が どうやら他の三人に気付かれない程度の殺気は出ていたらしい 「す、すすすてきな殺気!!」 バーンッ!と、扉を開けて出てきた変態松嶋を無視して、俺は部屋に入った 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |