《MUMEI》
ブスの大騒ぎ
.

とくに興味もなく、冷めた目でただ眺めていると、

彼女は真っ赤な顔をして、興奮したように、叫んだ。



「義仲くんが、常世高校のひとと、校門のトコでタイマン張ってるのぉ〜!!」



……………え?


義仲が?


つーか、



『常世高校』………??



一瞬の沈黙ののち、


どよっ!とクラスが湧いた。


「なにそれ!?」


「義仲くんが!?大丈夫なのッ!?」


女子たちの心配そうな声に、ブス女子はコクンと頷いた。


「殴り合いとかはしてないんだけどぉ、とにかく空気がピリピリしててェ!一触即発、みたいな」


そう答えると、男子たちが一斉に立ち上がる。


「なんだよ!なんで常世のヤローがウチの学校に来るんだよ!?」


「また文句つけに来やがったか!!」


「つーか、そいつ、どんなヤツ!?」


矢継ぎ早に質問を投げ掛けられて、ブス女子は困惑したような顔をし、答えた。


「わかんなぁい!!でも、相手、めっちゃイケメン!!ちょー爽やかって感じのヒト!!」


彼女の台詞に、女子たちが沸き上がる。


「マジで!?イケメンッ!!」


「そりゃ、チェックでしょッ!!」


「美男VS美男!!」


わーー!!と大声をあげながら、彼女たちは一斉に教室を出て行った。


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