《MUMEI》

.

わたしは彼女たちの顔を眺め見て、

高飛車に言った。


「マドンナのお越しだよ!!ブスはお呼びじゃないんだよッ!!」


途端に、


「ブスってなによ!?」


「ちょっとかわいいからって、エラソーにして!!」


「ムカつく〜!!」


ブーイングの嵐が巻き起こる。

…………が、

彼女たちはギャンギャン吠えながらも、そろそろと後退していく。どうやら、力関係は心得ているようだ。


わたしはフフンと鼻を鳴らし、唇に笑みをこぼす。


「あんたたちは、遠巻きに見学してなッ!!」


吐き捨てながら、わたしはゆっくりまえに進んだ。そのあとを、千影が追いかけてくる。



ブスたちに取り囲まれるようにして、

中央に、


呆れ顔の義仲と、

キョトンとした将門が、



並んで立っていた。



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