《MUMEI》 開花した結果翌朝、少女は冷たくなっていた。 起こしに来た母親は、娘の変わり果てた姿に絶叫した。 少女の体は冷たく固まっていた。 しかし体はまるでミイラのように水分がなく、手足はもがいた形で固まっている。 その表情は何かにすがるように、助けを求めていた。 そして母親は気付いた。 部屋を息苦しいほどに満たす、甘い香りに。 香りの元を探すも、見つからなかった。 それから数日後、少女の母親は泣きはらした顔で、少女の部屋を訪れていた。 警察は変死と決めたらしい。 確かにあんな死に方、変死以外はありえない。 ショックが強すぎて、娘の部屋にしょっちゅう訪れていた。 ぼうとしながら、何気なしに机の引き出しを引いた。 そこには可愛い包装紙があった。 手に取ってみて、そこからあの匂いがすることに気付いた。 悲しい記憶がよみがえり、思わずゴミ箱に包装紙を投げ捨て、部屋を飛び出した。 投げ捨てられた衝撃で、包装紙の中から説明書が飛び出ていた。 ―その説明書には、こう書かれていた。 前へ |次へ |
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