《MUMEI》
深入り
しかし友人逹は複雑な顔をするばかり。

やがてマカが戻ってくるのと同時に教師も教室に来たので、話しは中断された。

クラスメートの中で、二人はこういうイメージを持たれている。

ミナは育ちの良い娘。基本的に人を強く憎むことがない。だがそれは優柔不断とも言える。可愛らしい容姿が、子供っぽさを出す。

マカは常に冷静沈着。だが冷めているところがある。ミステリアスで美しい容姿から、近寄りがたい雰囲気がある。

全く正反対の二人が、この後、今しがた話していたウワサに巻き込まれることを、誰も予想だにできなかった。

―そう。非現実は何時だって扉を開けて待っている。現実から逃げ出したいと言う、願いを持つものに―



それから数日後。

ミナはむくれた表情でケータイをいじっていた。

別に見たいサイトがあるワケではないが、インターネットを適当に見回っていた。

むくれている原因は、今日行われた三者面談。

しかしミナのところは両親揃って来た。

当人逹が行きたいと言うので、担任に無理を言って、来てもらったのだが…。

結果は大失敗。

一応、大学受験を希望していたが、緊張感が無いと3人から怒られた。

いや、マカを含めると4人だ。


緊張感が無いワケじゃない。

ただヤル気が無いだけなのだと言ったら、もっと怒られた。

…いや、マカは呆れていた。

マカは成績優秀者として、表彰されたこともある。

なので担任と両親は彼女から勉強を教われと言った。

マカからも教えてやるとは言われたものの、ヤル気が無いので、頼め無い。

何にも出来ずに、ただ時間を過ごしてばかりではいけないとは感じている。

しかしヤル気が全く無い。

なのでふてくされて、ケータイをガチャガチャいじっていたのだ。

しばらくして、友人からメールが届いた。

中学時代の友人で、高校は別になったので今は滅多に会わない。

そんな友人がくれたメールの内容を見て驚いた。

『ケータイの都市伝説、知ってる? そのサイト、見つけたんだ!』

メール内容はその文章と、一件のHPアドレス。

ミナは深呼吸して、アドレスを押した。





それから一ヶ月後。

ミナは変わった。

自ら勉強をするようになり積極的になった。

そのおかげか、成績は上がり、周囲の評判もよくなった。

マカに迫るほどの成績の上がり具合に、マカが難色を表した。

「ミナ、自分自身に何をした?」

ある昼休み。マカはいつになく厳しい顔をしていた。

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