《MUMEI》

「律斗、ごめん!」

思わず、土下座してしまった。


「……きらい。」

苛々しながら律斗がフォークを皿の上で擦る。


「……俺はこんなだから、自分でも気付かないで律斗のことを傷付けてた。
けどさ、俺は直すことも出来るんだ。
律斗がいやなこと、すきなこと、いっぱい腹の底に溜まってるもの全部言ってくれよ。俺、律斗のこと知りたい。」

俺は俺と話す人が心から笑ってくれると嬉しい。
だから、親を亡くしたばかりの律斗に親の顔が見てみたいなんて暴言吐いた俺を俺は許せない……。


「……子供に土下座して恥ずかしくない?」


「子供も大人も関係ない、俺は傷付けた白戸律斗に謝りたいと思ったんだ。」

人と人が、居るだけだ。


「……そうだよ、もう子供じゃないんだ、わかればいいんだ。」


「仲直り?!」


「……だって、ぼくが許さなかったらずっと謝りつづけるんだろう?」

……その通りだ。

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