《MUMEI》 . ブスどもはほっといて、わたしは眉をひそめた。 「会いにって…」 「昨日、言ったでしょ?『諦めない』って」 言いよどむわたしの言葉を、歯切れよく遮ってから、将門は義仲を見て、そういうワケなんで、と朗らかに言う。 「彼氏さん、これからよろしく」 将門の爽やかな笑顔を見ながら、義仲は将門をものすごく怖い目で睨みつけた。 「汐見とかいったよね?」 押し殺すような低い声で、そう尋ねると、将門は笑顔を崩さずに、頷く。 「覚えててくれたんだ?」 無邪気な様子でそう言ったのを無視して、義仲は言った。 「…自分がなに言ってるのか、わかってんだろうな?」 義仲の脅すような台詞に、将門はキョトンとする。首を小さく傾げて、はっきり答えた。 「もちろん、宣戦布告のつもりだけど」 わからないの?と尋ねた。 それは、悪意があるのか、ないのか、どちらにも取れるような言い方で、 さすがの義仲も、そうとうキているみたいだった。 …………まぁ、 屋上での、わたしとのケンカのこともあるしね。 機嫌が悪いのは、当然だよね。 さて、 このあと、どうやって将門くんを追っ払うのかな………?? . 前へ |次へ |
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