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《MUMEI》 . あまりの言われように、頭にきたわたしはなにか言い返してやろうと、口を開いたが、 それよりも早く、 穏やかなほほ笑みを浮かべた将門が、でも、と呟いた。 「そんな本性知ってても、あなたは片倉さんと付き合ってるんでしょ？」 返された台詞に、義仲はなにも答えず、ただほほ笑みを消した。 将門は、さらに言い募る。 「それって、それだけの価値が、片倉さんにあるからってことだよね？」 義仲はやっぱりなにも言わなかった。将門を睨みつけている。 将門はため息をついた。 「なにを言われようと、俺は片倉さんを諦めないよ。一度決めたら、突っ走るタチなんで」 誠実な言い方で、将門ははっきり宣戦布告をした。 義仲はバカにしたように、フンと鼻を鳴らして、好きにすれば？と冷たく吐き捨てる。 「お前がどーしよーと、お前の勝手だ。でも、璃子は、俺のだ。だれにもやらない」 当然のように言った彼に、 わたしはビックリして、はぁ！？と眉をひそめた。 …………ちょっと待ってよ！ ついさっき、別れ話してきたのは、どこのどいつだよ！！ 勝手にもほどがある。 . 前へ |次へ |
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