《MUMEI》

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そうしてから、初めて、わたしと千影、そして将門に気づいた。


増井は最初、他校の制服を着ていた将門にガンつけていたが、わたしの顔を見ると、あれ?とマヌケな声をあげ、義仲を振り返った。


「義仲さん、もしかして、例の彼女っスか?」



………『例の彼女』??



なんのことかと眉をひそめた。義仲はなにも答えなかったが、増井は勝手にひとり決めして、やっぱり〜!と笑った。


「噂通りの美人ですねェ!!話は義仲さんからいつも聞いてます!…あ、俺、義仲さんの舎弟の増井っていいます!」


ヨロシクッ!!と強引にわたしの手を取り、激しく握手をする。

わたしは彼の勢いに押されて、片倉 璃子です…と名乗った。

増井は千影と将門にも挨拶し、ひとりで豪快に笑って言った。


「いや、さっきね、義仲さんから『迎えに来い』って呼び出されたモンだから、てっきりお一人で帰るのかと思って〜!」


彼女とお友達も一緒なら、仲間を連れて来ればよかったッス!と朗らかに言う。

勝手に話し始めた増井に困惑しつつ、わたしは、あの…と今の状況を説明しようとした、

そのとき。


「ちょっと黙れ、増井」


義仲の強張った声が、鋭く飛んできて、増井はビクリと肩を揺らし、口をつぐむ。恐る恐る義仲の顔を見た彼に、義仲は無表情で言った。


「勝手に勘違いすんな、そいつらは関係ない」


義仲の台詞に増井は、え?と目をまるくする。

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