《MUMEI》 . …………『いらねー』?? それって、まさか、 ウソ…………。 汐見と仲良くな、と吐き捨てると、義仲はバイクの後ろにまたがった。 増井は義仲が乗り込んだのを確認してから、エンジンを全開にし、疾風のように校門から走り去った。 小さくなっていくバイクを見つめて、 わたしは、自然と走り出していた。 千影と将門の、わたしを呼ぶ声が聞こえたが、 わたしは止まらなかった。 必死に足を動かし、地面を蹴って、 義仲を乗せたバイクを追いかける。 けれど、 バイクはどんどんスピードに乗り、それに比例してわたしとの距離も、離れていく。 たまらず、わたしは、叫んだ。 「待ってよ!!まだ、終わってない!!」 くだらないケンカの続きのことなのか、 それとも、わたしたちの関係なのか、 自分でもわからなかったけれど、そんな台詞が飛び出した。 …………とにかく、 とにかく話をしなければ、 本当に、『終わってしまう』気がして−−−。 一生懸命追いかけたが、 バイクは止まることなく、遠くへ消えてしまった。 わたしは息をきらせて、その場に立ち止まる。 もう見えなくなった義仲を思いながら、 わたしは、その場に座り込んだ…………。 ****** 前へ |次へ |
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