《MUMEI》 「やっぱり貴様が元凶か」 「マカ、将来私立探偵にでもなったら? 向いていると思うよ」 「嫌味な進言だな。私の将来はすでに決まっている」 苦笑し、マサキはマカの腕を軽く叩いた。 「言い訳、聞いてくれると嬉しいな」 「このふざけた状況を打破するヒントをくれるのならな」 渋い顔で言いつつ、マカはベッドからおりた。 「打破、ねぇ…」 マサキは首を撫でながらベッドをおりる。そしてソファとテーブルのセットの所へ移動した。 「何か飲むかい?」 「オレンジティーとケーキ。イチゴとレアチーズ」 「はいはい」 室内の電話を使い、マサキは言われた通りのものとコーヒーを注文した。 数分後、秘書の一人が注文のものを持ってきた。 「お待たせしました、お嬢様。イチゴのショートケーキとブルーベリーのレアチーズケーキでよろしかったでしょうか?」 「ああ、すまんな」 落ち着いたカンジの女性秘書はにっこり微笑み、テーブルに注文の品を置き、静かに出て行った。 するとマカの眼が鋭く光り、低く呟いた。 「…読心能力か」 「うん、彼女の能力には随分助けられているよ」 2人は特にタイミングを合わせたワケでもないのに、お茶をはじめた。 そしてマカが半分ほどショートケーキを食べたところで、言葉を発した。 「…それで、誰なんだ? 依頼者は」 「うん…。そうだねぇ」 言い辛そうに、マサキは苦笑した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |