《MUMEI》 「マカ」 「分かってる」 マカは深く息を吐くと、眼を閉じた。 そして再び開いた眼は、赤く染まっている。 右手を開くと、浮かぶ黒い紋章。 マカは扉に刻まれた紋章と、右手の紋章を合わせた。 すると、扉は開いてく。 扉の向こうは、白く明るい。 和の庭園。 季節を無視した色とりどりの花々が咲き乱れる。 「…ふふっ。そうなの」 庭園の奥から、美しい女性の声が聞こえる。 前へ |次へ |
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