《MUMEI》 「人として生きるのもタイヘンだね。血族の力の使い方を忘れてしまうんだから」 「闇っ…に堕ちる、よりは…マシだ…」 「言うねぇ。流石はボクの姉さんだ」 マノンはククッと笑いながら、顔を近付けた。 「決着を付けたいのはヤマヤマだけどね。あいにく、まだボクの体はちゃんと出来ていない。延長戦といこうか」 「なにっを…」 マノンはニッコリ微笑むと、マカから離れた。 そして両手を広げると、白い光に包まれる。 「なっ…!」 マカは必死で顔だけ上げた。 しかし光の中に、白い物体を見つける。 それは人の形をした小さいモノ。 「まさか…」 例の人形。 それが次々にマノンの体に吸い込まれていく。 するとマノンは光の中に溶けていく。 「とりあえず、しばらくは維持できるかな? またね、姉さん。そして父さん、母さん」 マノンは笑顔で手を振り、光に溶けて消えた。 そしてそこにはマカとマサキ、カノンの三人が残った。 ―誰一人、身動きが取れなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |