《MUMEI》 だが自分自身の身から出たサビ。 『人の生気を吸う学生がいる』などと言う、都市伝説が流れてしまっていたのだ。 自分で何とかしなければならなかった。 しかし今回の件は…。 「そういえば、結局マサキさんとカノンさんのことは…」 「…とりあえず、本家に監禁だ。カノンはそのままとして、マサキはカノンと共にいてもらうことにした。だが外部との接触は一切させない。出られる期限も出していない」 そう言ったマカの表情は険しかった。 「まっ、マサキの会社は優秀なのが多いからな。別にアイツ一人いなくても平気だろう」 「…そうですか」 「聞きたいことがあるなら、はっきり聞いたらどうだ?」 「えっ?」 「マノンのこと、聞きたいんだろう?」 「…聞いても?」 マカは黙って首を縦に振った。 「行方は血族で全力で捜しているが、見つかっていない。だが肉体の維持をする為に、近々悪さをするだろう。その時が勝負だな」 血族のネットワークを使っても、マノンの行方は知れず。 頼るものがいないならば、マノンは自分で動くしかない。 その時こそ、決着を付けなければ。 「消えた人形の持ち主―いや、契約者と言った方がいいだろう。その者達をも吸収して行ったんだ。…次に会う時には、それこそ死闘だろうな」 前へ |次へ |
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