《MUMEI》 バサッ…バサッ… 「初めからこうしておけば良かったのに…。」 「ハハッ! すまんすまん、まったくだな。」 あれからバルトンのいる所から脱出し、 今はグレイドに抱えられたまま廊下を飛んで移動している。 その間、罠にはハマって居ない。 「まあ、そう怒るなって。」 「だって……。」 あれほど死を覚悟したのは初めてだったから……。 今のこの状況に、 無性に腹が立ってくる。 「もうちょいで着くから、我慢しろ。」 「何処に行くんですか?」 「この家の、セキュリティ室。」 「セキュリティ室?」 またなんか凄そうな部屋だな。 玄関があれだけ豪華だったんだ。 きっとまた次の部屋も、 物凄いに違いない。 前へ |次へ |
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