《MUMEI》 . −−−その日から、 義仲とわたしが別れたという話で、学校中が持ち切りだった。 …………まぁ、 あれだけの人だかりの中で、あんな話をしたら、 ものすごい速さでそんな噂が広まるのも納得出来るけど。 「ねぇ、あの話、聞いた〜??」 「聞いた、聞いた!!例の噂でしょ?」 「案外、早かったね〜、終わるの」 「ねー、もっと長続きするかと思ってたのに」 「ねー」 ………。 そんな感じで、ブスどもが楽しそうにわたしたちの話をしているのを、教室の片隅で聞いていた。 あのあと−−−。 わたしは気分が優れないと、後藤のおじいちゃんに嘘をついて、将門に付き添ってもらい、家に帰った。 自分の部屋のベッドの上で、携帯を見つめながら、 …………もしかしたら、義仲から連絡が来るかもしれない。 そう思い、明け方までじっとしていたのだが、期待したようなことは、一切なかった。 −−−あの日から、もう3日が過ぎるけれど、 いまだに義仲は、学校に来ない。 . 前へ |次へ |
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