《MUMEI》 . わたしも納得し、へぇ…と他人事のように気のない声で相槌を打つと、川崎先生は肩を竦めた。 「理由を尋ねても、『関係ない』の一点張りで。まぁ、君が絡んでいるのは目に見えていたけれど」 まさか、別れたなんてね、と付け足した。 わたしはムッとして、まだ別れたわけじゃないです!と訂正する。 「ケンカしただけだもん。わたしは、返事してないし」 「でも、他のヤツにしろって言われたんだろ?」 決定的だな!と勝ち誇ったように言ってきたので、わたしは頭の血管がブチ切れそうになった。 全身全霊で先生を睨みつけたが、彼はあっさり無視し、よかったじゃないか、と明るく言った。 「これで君は櫻鷲会と関わりがなくなったワケだし、平穏無事に毎日を送れる。義仲さんと出会うまえの日常に戻れるんだよ」 俺も一安心だ、とさっぱりした口調で笑う。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |