《MUMEI》

「ふ、二人とも……どうしちゃったの!」

朝起きたら、俺らがいつの間にか同じ布団で寝てたので、二郎は感激していた。


「昨日の敵は今日の友ってやつだ。」

あのあと、いつの間にか二人で律人の部屋で眠ってしまった。


「ぼくが折れてやった。」

そうやって言うとこが生意気だな……いや、乙矢よりはマシか。


「良かったよう……良かっ……」

二郎は俯いたままだ。


「おいおい、泣くのかよ!」

年のせいか最近、二郎も涙腺が緩いな。
二郎が眼鏡を取りながら涙を拭く。


「二郎、はい。」

律斗はティッシュを差し出す……先越された!
悔しいので二郎の顔を俺の胸に顔を押し付けてやる。


「二人とも、ありがと……」

二郎は平等に俺達を抱き寄せてくれた。
こうして二郎が愛してくれるなら、律斗ともやっていける気がする。

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