《MUMEI》 寄り道デート. 授業を終えて、トボトボひとりで学校を出ようとしたとき、 「片倉さん!」 校門のところで、将門に呼び止められた。 将門は、わたしが義仲とケンカ別れしたあの日から、かいがいしくも、毎日こうやってわたしを学校まで迎えに来てくれて、家まで付き添ってくれていた。 べつに、頼んだわけではない。 たぶん、彼なりのアプローチのつもりなのだろう。 将門は屈託ない笑顔を浮かべながら、言う。 「今日もまっすぐ帰る?もし時間あったら、買い物に付き合って欲しいんだけど」 邪気のない表情をぼんやり眺めながら、わたしは瞬いた。 …………将門は、どういうつもりなのだろう。 わたしと、付き合っている気でいるのだろうか? だから、毎日のように、こうやって迎えに来ているのだろうか? . 前へ |次へ |
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