《MUMEI》 . …………でも、 わたしは、 そんな義仲と過ごした時間を、実は、楽しんでいたのかもしれない。 でなければ、今、こうやって退屈しているはずがないもの−−−。 「将門くん」 わたしは、凛とした声で彼を呼んだ。 将門は顔をあげ、なに?と、ほほ笑みを浮かべて首を傾げる。 わたしはまっすぐ彼を見据えて、言った。 「ごめん、わたし、もう帰るね」 そう言い残すと、わたしは颯爽とCDショップの出入口へと向かった。 その途中、将門が慌てて呼び止める声が聞こえたけれど、わたしは振り返ることも立ち止まることもせず、ただまえを見て、お店から出た。 ****** 前へ |次へ |
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