《MUMEI》
入寮式中3
<続いて、書記の神澤君、お願いします>


え、神澤?


あいつ、挨拶とかすんのか?


<…>

<か、神澤君>


あ、成瀬先輩困ってる


会場も、静かになっていく


…見守ってる感じかな?


<… … 頑張って>


キャー!!


…今の挨拶か!?


「珍しい、神澤が喋った」


鳳凰寺の口調は、『〇〇〇が立った』みたいな感じで


他のメンバーも驚いていた


「よっぽど機嫌がいいんだな。昨日といい、今日といい…」


生徒会顧問の、黒崎先生の言葉に


俺だけは、ドキッとした


バチッ


黒崎先生とバッチリ目が合ってしまい


俺は、慌てて反らした


…ヤバかった、か?


<ありがとうございます!では、最後に今年の生徒会補佐を紹介します

呼ばれた生徒は順番に出てきて下さい>


神澤が喋った事でテンションが上がった成瀬先輩の声が響いた


<じゃあ、僕が紹介するからね>


…会長はやっぱり面倒くさい事は苦手らしい


一ノ宮先輩の言葉に、全員が立ち上がったので、俺も慌てて立った

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