《MUMEI》
「コイツさー、彼女出来たんだって!」
「あー、水瀬?」
「う、バレてた」
顔熱い。乙矢大親分には敵わないっす。
「すぐ顔に出るからな。
それが二郎の持ち味なのだけれど」
大親分、笑顔が素敵だ、胸キュンてしそう。
「スゲー俺気付かなかった」
「七生はいつも自分でいっぱいいっぱいだものね。」
嫌味言い過ぎか?
「二郎はそうやって常に安心して話せばいいのに。いつも緊張して固くなりすぎだ。」
乙矢に頬をつねられた。
「努力しまふ……」
「水瀬にも少しくらい毒づいてもいいんじゃない?」
乙矢は一言残して小さくなってゆく。
「なんか、じろーには優しいよな」
七生は口を尖らせる。
「人徳かな?」
………なんちゃってい。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫