《MUMEI》
訓練強制終了して・・相変わらずな魔法使い
景色が暗転、気が付くとそこは、医務室のベットの上だった。
「あれ・・・確か琴に勝って・・なんでこんな所にいるんだろ?」
キョロキョロと回りを見る。
隣のベッドには琴が眠っている。
琴との戦いの後、二人で色々と言い合いをしていたのは記憶にある。その後・・何があったろうか・・
「ん?ここ・・何処だ?」
隣の琴が眼を覚ます。
「おう、おはよう琴。」
「ああ。で、何で俺はこんな所で寝てるんだ?」
「さぁ?」
ガチャ
ドアが開き、彩詩とエミが姿を現す。
「や、二人共。体、大丈夫?痛い所とかあったら遠慮なく言ってよ。」
気遣わしげに声をかけてくる彩詩。隣でエミは俯いたまま、元気が無い。
「・・特に、変わったところは無いと思います。何があったんですか?」
「右に同じ。何があったか聞きたいのも同じ。」
琴も体を軽く動かしながら、答える。
「そっか。よかった。んで、説明は・・エミ。君がちゃんと言わなきゃいけないからね。」
隣で落ち込んでいるエミの肩を軽く叩くと、半歩、後ろに下がる。
「あ・・えっとね。私が使った魔導砲台・・なんて言うのかな、その広範囲破壊型の武器なんだケド・・それを大量に使用した結果・・クリエイトフィールドを壊した・・訳で・・本来なら破壊なんてできないはずなんだケド、同系統の魔法次元を使ってて・・お互いに干渉しあった結果、クリエイトフィールド内に居た全員が意識不明で倒れた・・って事らしい。その・・私が無差別に魔導砲台を使ったからで・・」
説明に困ったようにしばらく眼を泳がせた後、
「あ〜とにかく、ごめん!!私が悪かった!許して。」
ガバッと頭を下げるエミ。
「まぁ、そいう訳なんだけど・・ごめんね。怪我とかしてるなら治療させてもらうし・・許してくださいな。」
苦笑しながら、頭を下げる彩詩。
「「・・・・」」
琴、狩月の二人は頭を下げている二人を前に、しばらくの沈黙の後、
「気にしないでください。思いっきり戦えたのは楽しかったですし、元々動けなくて、こいつと言い合いしてただけだったから。」
「だ、そうだ。俺も気にはしてないし。クリエイトフィールドで遊べたのも楽しかったしな。悪いと思うのなら・・そうだな、また誘ってください。それで十分。」
二人の言葉に安堵したように顔を上げるエミと彩詩。
「よかった〜・・・」
ふぅ〜と大きく息を吐くと笑顔を浮かべるエミ。
「きゃ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」
ドゴン!!
悲鳴と、壁が砕ける音、部屋に突っ込んでくる人影・・
「何!?」
「うぇ!!?」
身構えるエミと彩詩。
「う・・ぁ・・」
「ボンカー?」
壁をぶち破って部屋に突っ込んできたのはボンカー。隣の病室に寝かされていたようだが・・
キィィィン・・バタン・・
ドア・・が倒れてきた。鋭利な切断面を見せながら・・
「貴様は殺す!!」
顔を真っ赤にして、式夜が夕凪を片手に部屋に入ってくる。眼には涙が浮かんでいる。
「ちょ・・え?式夜。どうしたの!?」
式夜の様子に、彩詩が慌てて声をかける。
「「・・・・ボンカー何したんだ?」」

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