《MUMEI》 オープンカフェで. ルカさんが案内してくれたオープンカフェは、とても落ち着いた雰囲気で包まれていて、都会の一角にあるとは思えないくらい穏やかだった。 わたしたちは、小さなテーブルを挟んで向かい合わせに座っていた。 ルカさんはダージリンティーを、わたしはアイスココアを飲んで、喉の乾きを潤していた。 しばらく、ふたりで他愛ない話をしたあとに、 不意にルカさんが、そういえば、と言った。 「義仲くんはどう?最近、全然会っていないから」 元気にしてるかしら?と小首を傾げたルカさんに、 わたしは、困惑しながら、わからないです…と答えた。 「義仲、最近学校に来ないから」 わたしの返事にルカさんは眉をひそめる。 「またサボってるの?困ったコね」 ルカさんは呆れたようにため息をつく。すかさずわたしは、違うんです、と切り返した。 「このまえ、ちょっとケンカしちゃって。それでアイツ、怒ってるんです」 ケンカ?と、ルカさんは首を傾げる。 . 前へ |次へ |
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